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実践 機械学習:レコメンデーションにおけるイノベーション
最新動向

2016年の金融サービスにおけるビッグデータトレンド TOP10

2015年は銀行業務と金融市場において目覚ましい年となりました。このことは、ビッグデータが業務過程と組織立てを変貌させるのに役立つことを、これらの分野にいる人々が学習し続けてきたことに起因しています。2016年に目を向けますと、ビッグデータに関する企業活動において、金融サービスの業務機関はまだ発展途上の段階にあります。すなわちビッグデータが大きな恩恵をもたらすためには、どのように環境を変えていくかという模索段階にあります。銀行はビッグデータ戦略を編み出し、講習を行い、初期段階そして次なる段階へと戦略を推し進めて進歩し続けています。

ビッグデータを銀行が率先的に取り入れることで、より良いクライアント情報、危険性の抑制、規制対応が可能になります。こういったことは大きなTier1金融会社が常に取り組んできたことであり、これから未来に向けても取り組み続けるでしょう。下部市場においても、中規模Tierと小規模Tierの会社(仲介業、資産マネージメント、地方銀行、金融アドバイザーなど)は(クラウド、社屋内装備のものともに)新しいデータプラットフォームをより素速く取り入れ、大手が直面しているデータアーキテクチャの複雑な問題を乗り越えています。こういった中小の金融機関は発展拡大、採算性の向上、そして(概念的そして実験的)な戦略への取り組みに、より速い動きを見せています。長期にわたる、規制遵守そしてコスト削減を中心とした対策に大手銀行が取り組む一方で、中小銀行はより速い利益獲得を目的とした戦略を用います。

データソフトウエアとサービスプロバイダーの市場の進展は加速しており、銀行はもっと大きな規模かつ確固たる自信で、内部業務そしてお客様への対応改善を計る必要があります。クラウドテクノロジーが導入されたときも、私たちは似たような経路をたどりました。

どのようにビッグデータテクノロジーが進化し、この進化がどのように金融サービス業界に影響を与えるのか、いくつかの考察を以下にまとめました。

  1. 機会学習は加速的に詐欺検出やリスク分野に更に導入されるでしょう。データ科学者への需要と供給は均衡に近づきます。データモデルを改善でき、より瞬時の分析と警告ができるような、高度の技術が詐欺とリスク対策に使われるでしょう。マーケットリーダーを教育し、高度技術を現場で適応していくことで、機械学習はより加速度を増すでしょう。
  2. 先駆者と出遅れ組との差はより一層明らかになるでしょう。毎年アクセルをしっかり踏んで新しい技術を取り入れていく銀行と、保守的な態度で体質改善を計らない銀行が見られます。新しい技術に関する話やその使用の具体例はもっと広がって、2016年には多様化するでしょう。そしてそれが強力ではっきりとした(コスト削減だけによるものだけでない)高収益を得ることが、より広い市場で可能になるでしょう。
  3. データガバナンス、ライネージ、そしてその他のコンプライアンスは、より一層ビッグデータプラットフォームに深く組み込まれていくでしょう。コンプライアンス管理ためのより完全で包括的なデータソリューションを得るために、銀行はポイントソリューションを開発または購買するか、あるいはデータサージを処理できない既存の古いプラットフォームを使用しています。ありがたいことにHadoopには改善されたデータガバナンス、ライネージ、そしてクォリティーソリューションが豊富にあります。更に重要なことは、こういった新しいプラットフォームはHadoopだけに留まらず、今までの古いタイプのデータストアにも使え、データー規制の全体像を完成させることができます。しかも多量に速く詳細にわたってコンプライアンスに対応できます。それに加えて、2016年はデータ規制とリスクの中心的な役割を果たす”Date Lakes”の時代になります。
  4. 金融サービス機関はどのようにIoTデータを活用できるかを把握することに専念しています。IoTデータはビッグデータの分野での次なる注目の的となり、そこで金融サービスにはどのように適応するかという疑問が出てきます。他の業界(電気通信、小売業、生産業)ではIoTはすでに現実に注目されており、IoTデータをもっと必要とし現状を打破しようとしています。銀行部門に関しては、IoTデータはATMまたはモバイルバンキングにより多く活用されるかもしれません。リアルタイムの複数アクティビティーストリームなどは研究に値するでしょう。例えば、IoTデータを使うと、リアルタイムの複数チャンネルアクティビティーが、良いタイミングで一般の銀行のお客様に適切なオファーやアドバイスを施します。または逆の発想も可能です。すなわち金融会社がサービスを実際の”物”や装置またはご家庭から連絡できる簡単操作の通信機器などに組み込ませることが考えられます。
  5. ビジネス、ポートフォリオ管理、アドバイザーアプリケーションを統括することはソフトウエアプロバイダーにとってますます重要になっています。”ビッグデータを大いに活用しよう”といったスローガンの声はますます大きくなっています。最終的にはビッグデータがどれほどよいものかは、金融部門での個人顧客の意見、実際に観察できる(または観察できなくても計測できる)有益性で決まるでしょう。ビッグデータプラットフォームから派生して作られるアプリケーションはビッグデータの穴埋めを行い、ビッグデータという鋭い刃物に磨きをかけることになります。マーケットプロバイダーに類するものには、こういった進展がすでに見られますが、例えばCRM, OMS/EMSなどの他のビジネスユーザーアプリケーションにはまだ見られません。
  6. リスクと規制データ管理はビッグプラットフォームにとって、最も重点を置かなければいけない優先事項であり続けます。利益拡大と顧客中心のアクティビティーは企業戦略のトップリストに入ります。このような戦略をビッグデータと結び付けていく会社も現れるでしょう。あなたの銀行が今高度なデータを扱えるかどうかという質問は別として、データ規制が進化する中、積載されたリスクへ怪物的なチャレンジを行い、分析によって導いた目標に向かって前に進むことはまだまだ難しいことですが、企業の重要なポジションにいる人たちとって必須のことであり、有益なことです。神様が現れてデータ規制者が規制を緩和しない限り、リスクと規制データ管理は2016年の金融機関において、まだまだ困難なものである続けるでしょう。
  7. R:Base ストレージとアクセスをHadoopに取り入れることは、金融サービス部門で一般化するでしょう。人は違う時間にパーティーに現れますが、こういった技術の取り入れも違うタイミングで起こります。恐竜のような大型企業はこういった技術採用はなかなか行わないと思いますが、中規模あるいは小規模すぐにHadoopに次のような点で有益性を見出だすことができるでしょう。
    • さらに完成された形で、ソリューション、サービス、プラットフォームを統合できるプロバイダーが存在すること
    • 参考資料をもっと提供できるユーザーのコミュニティーがあるので、この新しい技術のプールに飛び込みやすいこと

    (あえて言うならば、)データ オフロードはHadoopにとって今や”古典的”な使用法であり、頭のいい子供たちはすでにビッグデータの公園で遊んでいる状態です。その後他の人々がこのビッグデータのフィールドに参入してくるでしょう。

  8. 金融サービス”ビッグデータ殺し屋アプリ”は市場で広く注目を集めています。この2、3年の間で注目を集めているのはFinTechの幼児たちです。これはエンドユーザーとデータプラットフォームをリンクするのに役立ちます。もっと多くの銀行がこういったアプリケーションを使い、このコンセプトが正しく機能することを証明することで、このソフトウエアの有用性が確証され、”完全なソリューション”の基盤を作り上げます。フロントエンドとバックエンドが別々にではなく、調和しながら最適化されなければいけません。サービスインテグレータ側からも、このアプリケーションの市場は速いスピードで広がっています。このことが、この先銀行がどのように”ビッグデータソフトウエア”と”古いタイプのソフトウエア”を使っていくかという論点につながっていくでしょう。
  9. 過去においても今においても最後に起動するのがオペレーションです。もっと信頼性のある”ビッグデータ”プラットフォームが登場するにつれ、セキュリティマスター、より深いメタデータ エンリッチメント、オントロジー、統合LEIそしてその他のスタンダードの発案が、深刻な現実的問題として浮かび上がります。従来のアプローチも有効ですが、ディーリングスキームやデータモデリングなど新しいソリューションを最大限に活用するには少し頭をひねる必要があります。更にマーケティングとリスクといったビッグデータで行う作業は、主にフロントオフィースで行われますが、ミドルオフィースやバックオフィースにおいては、明らかにそして多量な重複データがあるので、既存のdata lake作業をもっと有効なものにできます。ミドルオフィースにおけるリスクアセスメントやパフォーマンス関係のビッグデータアクティビティは急速に増加すると予想できます。(リコンシリエーションやコーポレートアクションなど)バックオフィースファンクションを後程深く考察したいと思います。
  10. 銀行の機関サイドは、顧客部門からの知識をヒントにして、クライエントを理解し、マーケティングを行い、ターゲットを絞っていくことができます。企業間取引のみを行う会社の中には、改善されたクライエント情報のビッグデータを上手に活用している会社もあります。しかし、そういった会社はクレジットカードにしろ、小売業バンキングにしろ、ウエルスマネージメントにしろ、企業と一般顧客間ビジネスの裏方に回っています。ファンドコンプレックス(大きなミューチュアルファンドマネージャー)にとって、顧客部門へ簡単にアクセスできることは、ウエルス アドバイザー ネットワークとブローカーとのインターアクションそして改善された商品利用からのデータ収集を効率よいものにするのに都合がいいです。このことは特に重要です。なぜなら、たいていのミューチュアルファンドはかつて顧客ベースから完全に切り離されたからです。だから彼らにとって、機関クライアント(アドバイザー)を理解することはとても重要です。

多くの大きい銀行や他の金融サービス会社が、新しいプロバイダー”ビッグデータ”ソリューションを導入するためには、自信がやはり大事です。このように申し上げたところで、2016年の展望を考えますと、マネージメントサイドからの強い要請により、IT部門が数々の”ビッグデータ”プロジェクトを造りあげ、ビジネスユーザーの手に渡るということになるでしょう。それが実現するためには、アーキテクチュラル、ファンクショナル、スピード、可用性、セキュリティなどの一連の問題を考える必要があります。常なることではありますが、昔ながらの問題をアーキテクチュラルレイアウトに適応させることは今も難しいことです。なぜなら昔からのアーキテクチャーにも存在したコストと無秩序性の問題は、新しいHadoopと統合されたビッグデータ構築にも発生するからです。

それから、データガバナンス、クォリティー、レファレンスマネージメントとスタンダードといったアクティビティーを行ううえで、既存のスタッフそしてデータ処理法を最高に活用する方法が見出されるでしょうし、見出されなければいけません。このためには、すべての分野の人たち、すなわちIT業界以外の人たちはマーケットでの急速な変革を理解するために、学習を怠ることはできません。

最後に、オープンソースとプロバイダーソリューションの関係はどういったバランスがいいのかという論議が盛んになるでしょう。すべてのオープンソースプロジェクトが機関ユーザーの要望に適切に答えられるようには造られているとは限りません。しかしオープンソースは速い進歩に貢献できます。- 銀行によって要望は違うでしょう。そしていろいろな要素を適切に考え合わせることはビッグデータの開発を促すのに重要なことです。ビッグデータは事実上すべてのデータです。結論としましては、2016年のマーケットは乱雑性を少なくする方向で進歩し進化していき、”ビッグデータ”の海が波打つなか、その流れを静かなものにするでしょう。

著者情報

ショーン・オーダウド
(MapR Technologies グローバル・ファイナンシャル・サービス・ディレクター)

導入事例:株式会社ぐるなび

導入事例:株式会社ぐるなび
飲食店の検索をはじめとして、「食」にこだわるビジネスを展開している株式会社ぐるなびは、2010年からApache Hadoopを導入し、ビッグデータの分析に取り組んできました。しかし、オープンソースの運用に関する課題を抱え、より安定的かつ高性能なビッグデータ解析を実現するために、MapRを採用しました。

こちらの資料では、同社の課題である、

  • Apache Hadoopの障害による停止

  • オープンソースを運用する負担の増大

  • ビッグデータの処理速度の問題


を、MapRを導入することでどのように解決したのかをお話いただきました。

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