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モノのインターネットが ビックデータ戦略に与える影響 ーハーレーダビッドソン、Google、バルセロナでの活用事例ー

モノのインターネットとは一体何なのでしょうか? 簡単に言うと、モノのインターネット(IoT)は日常的な消費者向け製品や産業機器などのデバイスをネットワークへ接続するものです。ソフトウェアを利用しデバイスの情報を収集し管理することで、新たなサービスを可能にし、健康、安全、環境などの面で役に立ちます。

4つの主要カテゴリー

ユーザーの立場でIoTについて考えると、次の4つの主要カテゴリーに分類することができます: パーソナル、グループ、コミュニティー、インダストリアル

Image courtesy of MapR.

パーソナルIoTは、個人へフォーカスしたのもです。例えば、ユーザーは心拍数を計測するスマートウォッチ(Android WearApple Watch)を着用し、ユーザーとかかりつけ医でそのデータを共有することが考えられます。

グループIoTは、対象範囲を家族などの比較的小規模なグループへ広げたものです。例えば、スマートホームにおいては、温度と照明の条件が最適となるようセンサーで測定を行います。自動車では、グループIoTは乗車している人を対象とし、スマートホームと同じようなタイプのセンサーを持つことがあります 。

コミュニティーIoTは、大規模なグループ(1,000人以上)を考慮したものです。例えば、スマートシティのような公共インフラは、スムーズで効率的な交通の流れを維持するために、自動車と道路状況を追跡するセンサーを活用することがあります。別の例ではヘルスケアがあります。患者の心拍数、体温と血圧を24時間365日モニタリングすることで、医療スタッフによる健康状態の把握が可能になります。

インダストリアルIoTはモノのインターネットで最も進んだ分野です。その例としては、スマートファクトリーを操業している個別の企業を始め、小売サプライチェーンの事例のように様々な組織が協業するものまで多岐にわたります。

第三の波

モノのインターネットは、インターネットの発展における第三の波として発展しています。基準点として、第一の波とは人々をインターネットへ繋げることでした。第二の波は人々が「モバイルへ向かう」ことでした。 シスコの予測によると、インターネットへの接続コスト(ビジネスおよび消費者向け)は2013年から2020年の間に年間25%減少する一方で、同期間にインターネットへ接続されるモノの数は年間25%増加します。この想定に基づくと、2020年までに500億のインターネットへ接続されたモノの存在と、デジタルインフラの急激な成長が期待されます。これは電気・通信業界と比べて5倍も高速です。

スマートなモノのこのような急激な拡大は、個人の生活、職場の生産性、消費に影響を与えます。さらに、インターネットの「パイプ」を拡大する新規ビジネスも生まれてくるでしょう。データの流れを分析するビジネスや、まだ私たちが考えつかないようなものを作り出すビジネスなどです。

展開中のIoT活用事例

ハーレーダビッドソン社が最近立ち上げた製造設備では、すべての機器がネットワークへ接続されたデバイスとなっており、すべての変数が常に測定・分析されています。ペンシルベニア州ヨーク工場のソフトウェアは、様々な機器の稼働状況を追跡しています。例えば、塗装ブースのファン温度と速度の測定などです。ソフトウェアにより測定値が許容範囲から外れたことを検知すると、自動的に機械の調整が行われます。

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このようなすべてのデータポイントSAP Connected Manufacturingへ集められ、製造結果とリアルタイムフィードを統合しSAP HANAプラットフォームへと送られます。このプロセスにより予測分析の実行が可能になり、コスト効率性の向上と資産活用率の向上をもたらしています。その結果はどうだったでしょうか? 現在のハーレーダビッドソンは一つの生産ラインで1,700種類のバイクを組み立てることが可能になり、カスタマイズされたバイクを90秒に一台のペースで出荷することができます。さらに、以前21日かかっていた同社の納期が、たった6時間で可能になりました。

自動運転車は、レーザーを始めとし、立体カメラやフロントガラスワイパーの雨検出器など、様々な情報源を使用して周囲の状況を把握します。例えばGoogleの自動運転車は、1秒間に750メガバイトものセンサーデータを収集します。トラックや歩行者、転がっているボールなど動いて見えるもの全てを把握します。その車は130万のレーザー測定値を処理し、毎秒20個の運転の意思決定を行うコンピューターを使用しています。IoTの高速道路を走るのはGoogleだけではありません。コンシューマー・エレクトリクス・ショー(CES) 2015において6社の自動車メーカーが、2017年から2020年の間に自動運転車を世に送り出すと発表しました。

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バルセロナはモノのインターネットを活用し、地域経済の活性化、市の部門間コミュニケーションの向上、行政コスト最小化に向けてスマートシティを創り出しています。渋滞と駐車場に関連した市全体の改善として次の例があります。以前まで市の渋滞の40%は、駐車場を探すドライバーが原因でした。現在では、地中の駐車センサーが車載デバイスとコミュニケーションし、車を空きのある駐車場へ素早く誘導します。

バルセロナはバスを待つ際の体験も変化させました。現在、乗客は「スマート」バス停とバスを使用し、バス車内およびバスの待合所に設置されたスマートパネルを通して路線情報やそのエリアの情報を得ることができます。また、市は非常に効率的な街灯を導入しました。その街灯は、エネルギーの節約とメンテナンスを最適化するために動的に管理され、歩行者を感知した時に街灯を照らすというものです。

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オーストラリア政府はAusgridと呼ばれる1億ドルのプロジェクト、Smart Grid, Smart Cityを設立しました。そのプロジェクトは、オーストラリアにおけるスマートグリッド技術のテストを行い、導入の費用と効果についての情報収集をするものです。プロジェクトは電力使用についてリアルタイム近い情報を利用者へ提供することで、費用管理の助けになるよう活用されました。さらに、市の電力供給について詳細なリアルタイムのデータは、潜在的な設備障害を事前に特定し修理を行うことで停電を避けることができる可能性をもたらします。プロジェクトは2010年から2014年に実施され、最大で30,000世帯がこのプロジェクトへ参加しました。

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Ausgridプロジェクトは、全体として、シドニーエリア全域に渡る160万以上の家庭と企業へ安全で信頼できる電力を供給し、この試験で協業するパートナーのコンソーシアムの指揮を取りました。EnergyAustraliaはSmart Grid, Smart Cityの小売パートナーであり、革新的な技術と提供価格のテストを実施しました。このような製品は新しいスマートメーターも生み出し、家庭が電気料金に対してより良い選択と管理ができるよう設計されていました。

IoTのカテゴリーに分類されるデータは、多くが時系列ベースのデータです。すなわち、センサーからのデータは、ある時点でのそのセンサー固有のものであるということです。長期的な活用と分析を目的としたデータの保存は、より扱いが難しくなります。幸いにも、時系列データの保存に特化したデータベースが存在します。その一つがOpenTSDB です。

このようなデータベースを運用する場合、どれだけ高速にデータを取り込むことができるかが一般的にまず懸念されることです。このタイプのデータベースは直線的にスケールするため、最大で一つのクラスターのサーバー毎に毎秒2,500万データポイントを取り込むことが可能です。一つのクラスターの10台のサーバーでは、毎秒2億5,000万データポイントを処理することができます。OpenTSDBは時系列データを扱い始めるのに良い方法であり、また導入後すぐにダウンサンプルや様々な種類の集計(平均、合計、最小、最大)を実行ができるようになります。

モノのインターネットが主流となってきていることは疑いがなく、企業がIoTのデータを蓄積・処理・分析し、そのデータを重要なビジネスの洞察へ変換していくにつれて、大きな可能性があります。

著者情報

JimScott

ジム・スコット

(MapR Technologies エンタープライズ・ストラテジー&アーキテクチャー・ディレクター)

 

ビッグデータ活用に備えるデータ蓄積インフラへの要件

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